いわゆる多肉植物は、ホームセンターなどで格安で手に入るようになり、これ以上ないくらい、「植物雑貨」として大変身近な存在になった。
強靭な生命力を誇る生き物でありながら、ついつい愛嬌を感じてしまう。
だけれどたまにふと「植物雑貨」というフィルターを通さずに、彼らと触れ合うことはできないだろうか、と思う。
夜にひっそり、多肉たちを覗く。
多肉植物は夜に呼吸をする。耳をすませば呼吸音が聞こえそうな気がした。
ひっそりと、でも着実に根をはやし、生きている。
われわれでは到底手に負えない、自然・他者・エイリアン。
多肉植物は、雑貨ではない。気ままに、生きている。
わたしと違う生き物である彼らを、心から美しいと思う。
どうか健やかにおやすみなさい。